「投資の神様」として世界的に有名なウォーレン・バフェット氏。株式投資だけで約10兆円の個人資産を築いたことで有名だ。彼の投資に関連するノウハウ・考え方、本人の生き方、哲学は世界的に注目を浴び、彼の思考や知識がまとめられた数々の本はベストセラーとなっている。今回はそんなウォーレン・バフェット氏の考え方に迫りたい。
ウォーレン・バフェットはどのような人物か
ウォーレン・バフェット氏は、1930年生まれのアメリカの有名投資家だ。彼が株式投資を始めたのはなんと11歳。15歳の頃には約5万3,000ドル(約587万円)の純資産を持っていたと言われている。
その後も着々と個人資産を増やし、2021年には個人資産額が約96億ドル(約10.46兆円、2021年時点)となり世界第6位となっている。また、2020年8月には日本の5大商社(伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅)に投資したことでも有名だ。
投資家としての実績を持つ反面、バフェットは慈善家としても有名である。2006年には、個人資産の85%をマイクロソフト創業者であるビル・ゲイツとその妻が運営する「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」へ寄付することを発表した。これはアメリカ史上最大の寄付額とされている。
また、投資会社バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOも務めており、投資家だけでなくGAFAなど一流経営者からも尊敬されている人物だ。
バフェットの投資手法
バフェット氏はどのような投資手法をして、そこまで資産を大きくしてきたのか。基本的な考え方は「優良企業の株を安く買い、長期間保有して複利効果で資産を増やす」というものである。
まずは、短期ではなく長期的に投資をするという観点だ。「我々が好む株式保有期間は永遠だ」という彼の名言にもある通り、投資において重要な考え方は自分が投資した企業を保有し続けることだとしている。実際にバフェット氏は、1988年にコカ・コーラ株を購入し始めて以来、30年以上の長期にわたって買い増ししながら保有し続けている。
また、「今後10年間市場が閉鎖しても喜んで持ち続けられる企業だけを買いなさい。」とも伝えている。最低でも10年間その企業の株式を保有し続けるつもりがないのであれば、そもそもその会社の株式を購入してはいけないとするのがバフェット氏の考え方だ。
裕福さとは相反するバフェットの質素なお金の使い方
大富豪で裕福なバフェット氏だが、生活は驚くほど質素なことでも注目されている。バフェット氏は現在も1950年代に購入した家に住み続け、質素な車に乗り続けている。お金を銀行から引き出して使うよりも、貯金し増やすことを好んでいるそうだ。また、贅沢品を購入することはなく、自身の資産に比べて支出はかなり少額。散髪代は18ドル、朝食には毎日同じマクドナルドを食べているという情報も出回っている。
そんなバフェット氏が自分のために惜しみなく大金を使うときは、「見た目を派手に着飾るものではなく、内面を豊かにするもの」を選ぶとしている。その一つが本である。バフェット氏は1日のうち80%を読書に費やし、自分の知識を増やす、思考する時間にあてている。
そして、バフェット氏が最もお金を使う先は、慈善事業だ。世界で最も多額の寄付をする慈善家としても有名である。2006年、バフェット氏は自社(バークシャー・ハサウェイ社)の株を社会に有意義な影響を与え、社会的利益をもたらす慈善活動に寄付することを約束した。貧困削減、難民支援、災害救助、国際保健、教育など、さまざまな分野へ支援をしている。さらに、死後に資産の半分以上を慈善活動に寄付することを誓約する「ギビング・プレッジ(寄付誓約)」にも署名しているのだ。
このように、彼の投資家としてのノウハウ・考え方はもちろん、人となりや仕事・お金への考え方は、自分の人生とどう向き合うかを考える上で大きな指針となるだろう。
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