書類選考は通過するものの、面接での結果が芳しくないという方も少なくないのではないだろうか。

そういった方向けに当コラムでは20代の転職活動において重視される『実績の再現性』という観点でお伝えしたい。

『実績の再現性』とは

『実績の再現性』という言葉自体あまり耳なじみが無いことと思う。もう少し分かり易い言葉で表すとすれば、『実績を出すことができた理由』のことを指している。営業職の面接においては必ずといってよいレベルで聞かれる内容である。

面接での具体的な聞かれ方としては『なぜそのような実績を出せたのか』『何か工夫した点はあるか』といったものである。

ここでの回答として『気合い』や『行動量』だけでは不十分である。例えば、他の方が一日当たり30件の新規架電 をしていたので、50件やりました、といったものである。

気合だけでは求められる人材になれない

営業として気合いがあることや行動量が担保出来ることは重要ではあるが、それだけでは転職活動における面接で高い評価を得ることは出来ない。

高い評価を得ることが出来ない理由は明確で、『自社の社員もそのくらいはやっている』『それだけでは当社で活躍してくれるかわからない』と判断されるためである。面接においては、基本は絶対評価がなされるが、その上で相対評価が行われる。

ではどういった内容をアピールすべきかといえば、『営業としての頭の使い方 』 である。面接官に『その頭の使い方をしているのであれば当社でも活躍してくれそうだ』といった印象を与えられるかが肝となってくる。

面接での具体的な回答例

ここまでの内容を踏まえ、具体的な回答例をお伝えしてきたい。良くない例と良い例の2パターンを記載するので、ご自身の考えている内容と照らし合わせて是非ブラッシュアップしていただきたい。

【良くない例】
トップセールスの方が1日あたりの新規架電数が30件だったため、私は50件の架電を行いました。架電 数を増やしたことで成約数が増え、売上拡大に繋げることができ、目標達成率100%を記録することが出来ました。

【解説】
面接官が当内容を聞いた時にどのような印象を受けるかを率直に記載すると、『一生懸命頑張ったのは分かるが誰でも出来る内容だな』である。

架電数を増やすにあたって、どのようなことを考えたのか、どのように架電数を増やしたのか等の思考のプロセスが入っていないため、面接官からするとあまり魅力的な営業活動には映らない。

【良い例】
自身の営業成績をより高めるために、トップセールスの方と自分の営業プロセスそれぞれの歩留まりを比較し、可変と不可変で分けて考え、改善を実施しました。

プロセスを比較した結果、可変項目の中で『新規架電数 』 に大きな差があったため改善を行いました。

新規架電数はタイム(タスク)マネジメント次第で架電に割く工数を創出できるため、数を増やすことを決めました。しかし闇雲に数を増やすだけでは効率が悪いと考え、トップセールスの方の直近1年の成約顧客データを分析し、新規架電からの成約率が高い顧客属性に絞ってアプローチを実施したことで、率が改善され、売上拡大に成功しました。

【解説】
しっかりとトップセールスの方の成約顧客分析を行っており、ただ数を増やす気合いだけのセールスでないことが伝わってくる。こういった頭の使い方は様々な会社の営業職でも通用するため、面接官から高い評価を得られることとなる。

当コラムでは文字数の関係もあり大枠での解説を実施したが、転職活動の面接において当コラムにてお伝えした内容を踏まえ、実績の再現性を大いに語っていただきたい。