今回は、職務経歴書の記載方法について説明をしていきたい。人事側の目線がわからない中で、通過率の高い書類を作るのは難しいが、ポイントを押さえるために参考にしていただければ幸いだ。

職務経歴書は書類通過率に影響する

まず最初にご紹介したいのは、職務経歴書の質は実際に書類通過率に影響すると言うことだ。

書類をどれほどきちんと見ているのかと言う意味では、採用担当の方が細かい部分まで書類選考段階で目を通すことは少ない。

ただし、書類選考での合否を判断する上で職務経歴書を見ないと言う事は稀であり、いかに簡潔にポイントを伝えるのかが重要になる。

もちろん、職種ごとの細かいテクニックは存在するが、今回は職種を大きく2つに大別して、職務経歴書の伝え方を考えていきたい。

実績型かスキル型か

転職者の方の職種や、応募先のポジションによって、実績を重視するパターンとスキルを重視するパターンに分けて考えるとわかりやすい。

実績重視型では、どれぐらい高い結果を出してきているのかというのがポイントになり、職務経歴書の冒頭部分で、適切に訴求をしていく必要がある。

この時に注意して欲しいのは、実績を正しく伝えるための要素に抜け漏れがないかと言う観点である。

例えば、上位5%の結果を残していました。といった内容を書いたとしてもどういった母集団でどれぐらいの期間にわたって達成していたのかがわからず、実績の訴求としては不十分である。

そのため、実績を正しく表現するために必要な要素は、
・どの母集団で
・何人中
・どの期間で
・何位だったか
といった内容が挙げられる。

ハーバード大学で500人中3年間15位だった。といった内容であれば、どのくらいの実績であるのかは正しく相手に伝えることができる。

このような実績を表現しづらい場合には、期間をコントロールしたり、観点を変えたりといったやり方をすることが多い。

例えば個人の営業目標がなく達成率を表現できない場合には、新規開拓した社数が何人中何位だったのかであったり、全社的な順位が低めの場合には同期内順位で表現したりといった具合である。

一方でスキル型の仕事の場合には何人中と言うよりは、通用するスキルを持っているのかというのが重要視されるため、
・どんな顧客に対し
・どの規模の
・どんな案件を
・どんな個人的役割で
・どんな技術で行ったか
といった内容で表現することができる。

例えばではあるが、金融業界のクライアントに対し200人規模の基幹システム刷新プロジェクトをPMとしてAWSを使ったクラウド化を推進した。
といった書き方はサマリとしては十分にスキルを表現できている。

これらの内容を経歴書の冒頭部分に表現することにより、書類選考の通過率を上げることができる。

稀に履歴書にこういった内容を書きたがる方がいるが、本来的には具体的な職務内容は職務経歴書に書くべきであり、スペースが不十分であると言う点や、プロファイリング能力の高い面接官から見ると、自信がないと言うふうに捉えられてしまうこともあるので注意が必要である。

自己PRの記載には注意を払う

職務経歴書を書く上で注意しなければならないのが、自己PRをどのように記載するかである。

個人的なオススメとしては自己PRを職務経歴書に記載することがなく、現職での工夫点レベルに押さえておくことを推奨している。

理由としては、その方の魅力や強みは、文章で表現するとどうしても薄っぺらく読めてしまったり、きれいごとのように見えることが多いからである。

また1次面接で自己PRに関連する内容を指摘された際に、次の面接で内容変更して話すことがしにくいと言うことも注意が必要である。

そのため職務経歴書では、実績やスキルについての説明ははっきりと記載することをお勧めするが、自己PRや強みの表現といったあいまいな内容は事実ベースに押さえておくのが良いだろう。

今回は職務経歴書の書き方について、要点を押さえて説明をさせていただいた。
これから転職活動を本格化する方の参考になれば嬉しい限りである。