2021年下半期のエンジニア転職を予想すると、RPAやDX、AI、フルリモートといったキーワードが鍵を握っている。2030年には最大で79万人が不足すると言われるエンジニア市場だけに転職活動も活発である。
本記事では、未経験・経験者問わず採用が活発化するエンジニア転職において、ポートフォリオの重要性をご紹介したい。
エンジニア転職にポートフォリオが有効な理由
エンジニア転職においては「プログラミングスキルの証明」「経験したプロジェクトのアピール」「入社後のミスマッチを抑制」この3点から、ポートフォリオの作成が有効であると言える。
経験者であれば、どのような実装能力を持ち、どのようなプロジェクトで成果を残したのか採用側が特に重視する点である。また、未経験者であっても、どのような言語を扱えるのか、最低限のスキルを知りたいものだ。
エンジニアの転職は、スキルを言葉で証明するのが難しいからこそ、判断材料としてポートフォリオが必要不可欠。たとえ未経験でポートフォリオの提示が必須でない場合でも、必ず用意したいところだ。
また、採用側は応募者のポートフォリオから自社のプロジェクトに適したスキル、経験を備えているかを把握している。ポートフォリオを見れば、当然スキル不足も確認でき入社後のミスマッチも抑制できるというわけだ。
エンジニア向けポートフォリオの作り方
それでは実際に、エンジニア転職で必要なポートフォリオの作り方をご紹介したい。
ポートフォリオ用のアプリやプログラムを制作
まずどのようなアプリやプログラムを制作しなければならないのか、応募先企業の募集する人材と合わせて検討する必要がある。
特に応募者の得意な言語、実務で使いたい言語を中心に選定すると採用企業側からも評価されやすい。なお、作り込みの度合いだが、機能を数多く実装すれば良いというものでもない。
採用側が重視している機能を採用サイトや企業サイトなどから参考にし、単一目的のアプリなど簡単なもので良いだろう。
エンジニアならば機能を加えたい気持ちもわかるが、実装に時間がかかり転職活動へも影響が生じてしまう。応募先の求める最小限の機能をアピールしよう。
ソースコードを公開する
アプリやプログラムを制作することで、採用企業側は応募者のプログラミングスキルを把握できる。しかし、同じプログラムを制作するにもエンジニアによって言語の書き方は異なるわけだ。
そこで、GitHubなどを利用して、制作したアプリのソースコードを公開することをおすすめしたい。
例えば、アプリやWebサイトに動的な処理を命令するPHPやJavaScriptといった言語は、エンジニアのスキルがよく反映されるものである。ソースコードを公開することで、よりスキルセットが伝わるだろう。
アプリやプログラムを制作した理由やポイントをまとめる
無事ソースコードをアップできたら、なぜこのアプリやプログラムを制作したのか理由やポイントをまとめておきたいところだ。概要をまとめることで、採用企業側も制作の意図や入社への意欲を把握できる。
具体的には、以下をまとめておくと良いだろう。
- 概要(どのようなアプリ、プログラムなのか)
- アプリやプログラムを制作したきっかけについて
- 使用言語、技術について
- 制作において苦労した点
スキルシートを作成する
最後に、採用企業側からエンジニアのスキルが一目で把握できるよう、スキルシートを作成する。
スキルシートには「応募者の簡単なプロフィール」「使用技術、言語の経験年数」「今後の目標」「連絡先やSNS」などを記載すると良いだろう。また、スキルを一目で判断できるチャートなどがあると、なお分かりやすい。
文章だけの冗長なスキルシートは避け、箇条書きやグラフを使用して、シンプルに訴求することが重要である。
スキルシートはただ情報をまとめれば良いのではなく、ユーザーの視点に立って作成することがポイントだ。
ポートフォリオ事例集
ここでは、エンジニア転職に参考になるポートフォリオサイトを2点ほど紹介したい。
宗定 洋平(Munesada Yohei)
フロントエンドエンジニアやサーバーサイドなど、多彩な経歴を保有する「宗定 洋平」氏のポートフォリオサイト。
トップページは、タイトルとナビゲーションメニューのみとシンプルな構成であるが、ホバーアクションが実装されており非常にテクニカルなポートフォリオサイトであることが拝見できる。
https://www.yoheim.net/portfolio/平尾 誠(Hirao Makoto)
デザイン、マークアップ、アートディレクションなど多方面で活躍する「平尾 誠」氏のポートフォリオサイト。
ソースコードこそがデザインと考え、フロントエンド側からデザインを創造する平尾氏ならではのポートフォリオサイトだと言える。
https://hiraomakoto.jp/当コラムでは、エンジニアにおけるポートフォリオの重要性について言及させていただいた。ぜひ応募先企業に最適化したポートフォリオ、スキルシートの作成に注力いただきたい。
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