暗号資産に関するニュースは誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。2021年には、暗号資産の代表格であるビットコインが過去最高値に到達したことで注目度が高まった。しかし、その後は急暴落し、今後の動きや将来性に対して不安を抱く人も少なくない。そこで今回は、ビットコインをはじめとする暗号資産のこれからに迫っていきたい。

暗号資産のこれまで

まずは暗号資産の基本的な部分とこれまでの動きを振り返りたい。そもそも暗号資産とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値を持つ資産である。

法定通貨とは違って銀行などの第三者を介することなく、インターネット上で不特定の人と取引できる。暗号資産は「未来の通貨」として期待され、投資対象としても人気がある通貨だ。

2008年に暗号資産の代表とも言えるビットコインが誕生した。ビットコインは、世界で「最初」の仮想通貨として知られている。「サトシ・ナカモト」と名乗る人物が、インターネット上で「ビットコイン:ピアツーピア電子キャッシュシステム」という論文を出したことがきっかけだった。

その後ビットコインは2021年に最高値を更新し、1ビットコイン=740万円(約6万7,000ドル)を突破した。しかし、その後は2021年末にかけて仮想通貨全体の価格が下落。2022年1月には400万円ほど、2022年6月には270万円ほどまで暴落した。

暗号資産のこれからを予測

暗号資産の今後については、多くの開発者や研究者がそれぞれの見解を発表している。その予測を見てみると、どれも将来的には暗号資産が上がる予測を示している。ここでは、2022年9月現在における各社のビットコインの価格予測を見ていきたい。

Coin Price Forecasの予測

2024年:40,231ドル
2026年:59,346ドル
2028年:71,769ドル
2030年:90,048ドル
2032年:92,485ドル
2034年:91,677ドル

Coin Price Forecasでは、2024〜2028年の間に大幅に上昇すると予測している。2026 年半ばには5万ドル、2028年には7万ドルに到達する見通しだ。そして、2029〜2033年にかけても徐々に増加するとしていて、2034年には9万ドルに到達する見込みだ。

Digitalcoinの予測

2024年:59,758ドル
2026年:76,849ドル
2028年:145,119ドル
2030年:283,380ドル

Digitalcoinの予測はCoin Price Forecasよりはるかに高い上昇率を示している。2026年ごろからビットコインの価格が毎年大幅に上昇する見通しだ。2028年には14万ドルに、そして2年後の2030年にはおよそ2倍上昇し28万ドルに到達すると示している。

上記の予測はあくまで現時点のものであり、変化の激しいビットコイン市場では断定はできない。ただ、今後の価格上昇については前向きに考えている人が多いことがわかる。

価格が暴落する可能性はあるのか

今後暗号資産の価値が上がると予測している人が多いものの、暴落する可能性は十分ある。例えば、特定の国が暗号資産に規制をかけて暗号資産を保有できないようにした場合、仮想通貨のリスクが上昇し暗号資産を売却する人が増えるだろう。

売却する人が増えれば、自ずと価格も暴落する。実際のところ、2021年には中国が暗号資産に対する規制を強化し、その影響で2021〜2022年にかけての価格暴落につながったと言われている。

また、災害や疫病などによる世界経済の停滞が、暗号資産が暴落する要因になることもある。経済に対して不安がある場合、投資家や企業はなるべくリスクを取らないように取引を行う。

暗号資産を大量に保有している個人や団体が利益確保のために全て手放した場合、暗号資産の価値が下がって暴落につながるだろう。

このように暗号資産は、大国の動向、経済・金融の市場の動きなどさまざまな要因がきっかけで暴落する可能性がある。

ただ、こういった暴落の可能性を踏まえたとしても今後は価格が上がると予測する人も多く、それだけ期待値の高い通貨だとわかるだろう。暗号資産を取り巻く環境や価格の変動には、今後も目が離せない。