左: 角谷 様
右:株式会社アサイン シニアエージェント 枝野 陽

大手通信会社のR&D部門で6年間勤務された角谷様。エネルギー系の研究開発から、ソリューション開発へとキャリアを歩まれてきました。

30歳という節目を迎え、自身のキャリアと向き合う中で転職を決意。より広い視野で社会課題の解決に貢献したいという思いから、EYのエネルギーセクターへ転職されました。担当エージェントの枝野が、研究職からコンサルティングファームへの転職を決断された経緯や、今後のキャリアビジョンについてお話を伺いました。

新たなキャリアの視点を得るために。

── 前職に入社を決めた背景を教えてください。

大学院時代からインフラ業界には強い興味を持っていました。インフラは長期的な課題が多く、その解決には大きなインパクトがあると感じていたためです。

特に電力自由化の動きが始まっていた時期で、そこに注目しました。 就職活動では、電力を大量に使用する鉄道会社や通信事業会社を中心に考えました。最終的に前職を選んだ理由は、社員の方々が語っていた夢やビジョンに強く惹かれたことが理由です。

── 前職での主なミッションや業務内容を教えてください。

R&D部門で6年間勤務し、最初の3年間はリサーチャーとして研究部門に従事し、その後はエネルギー系ソリューションの開発に携わりました。研究部門では、主にエネルギーの省エネ化や再生可能エネルギーへの転換に関する技術的な課題解決を担当していました。年間で大規模なエネルギー消費が発生する通信インフラに特有の課題に取り組み、効率化を図るための技術開発を進めていました。開発部門に移ってからは、技術のビジネス応用や社会への貢献をより意識するようになりました。

── 前職で感じていたキャリアにおける課題感、転職を考えるきっかけを教えてください。

前職に対して大きな不満はありませんでしたが、一つの企業に長く勤めることで、どうしても慣れや視野の狭さを感じることがありました。今後のキャリアを通して自分の能力をさらに伸ばし、新しい視点を得るためには別の環境が必要だと感じるようになったことがきっかけでした。

30歳の節目に考えた、自身のキャリアと向き合う転職活動

── 6年間働いて、今後のキャリアについてどのようにお考えでしたか。

65歳までのキャリアを約35年と考え、5年ごとに区切ってどのようなステップを踏むか考えていました。その中で、30歳という節目は大きな転機だと感じました。もちろん、一つの企業で専門分野を深めていくことも選択肢の一つでしたが、私の気持ちとしては、より広い視野を持ち、供給側や異なる業界も経験してみたいと思っていました。漠然とした不安や、やりたいことがどんどん出てきたことから、転職を真剣に考えるようになりました。

── 研究開発やR&D系のバックグラウンドを持つ方は、他の分野で通用するのかどうか不安に思うことが多いと思います。その辺りの不安感はどのように乗り越えたのでしょうか。

確かに不安はありました。しかし、前職はR&D分野の中でも比較的オープンな文化があり、異なる分野を経験する機会も多かったため、大きな抵抗はありませんでした。研究以外の業務にも積極的に参加することができたことから、専門性を狭めるというより、視野を広げるという感覚が近かったです。

とはいえ転職という決断は非常に大きな挑戦ではありました。しかし自身の性格的にも、50%のリスクがあったとしても、新しい挑戦をしないで後悔するよりは、挑戦するほうが良いと感じ、最後は活動に踏み切りました。

── 実際に転職活動を始めるまでの流れはどのようなものでしたか。

転職活動を始めた当初は、特に何も分からず、転職サイトを通じて情報収集をしていました。しかし、R&D分野からの転職に関する具体的な情報が少なく、同じような経験を持つ人のアドバイスを得ることが難しかったです。そのため、エージェントに登録し、専門家と話をすることで、自分の希望やキャリアの方向性を整理しました。

── エージェントに対して、どのようなことを期待していましたか。

第一に、就職先に関する具体的な情報を持っていること、そして自分の希望に沿ったサポートをしてくれることを期待していました。初めての転職で、自分の経歴がどの程度市場で評価されるのかが分からなかったため、その点を理解し考慮してくれるエージェントを求めていました。単に「この業界が人気です」といった一般的なアドバイスではなく、私個人の状況に合わせた、具体的なキャリアサポートを期待していました。

── 最終的に私に任せていただけた理由を伺えますか。

転職サイトに登録したところ、多くのメールを頂きました。その中でも、自身のキャリアに基づいたご提案をいただいた方を中心に、最終的に3~4名のエージェントと面談を行いました。エージェントによって支援スタイルは様々でしたが、枝野さんに任せようと思ったのは、私のキャリアを整理するところから始めるというアプローチを取ってくれたためです。自身に真剣に向き合ってくれていると感じましたし、キャリアプランへの納得感も大きかったことが一番の決め手になりました。

世界をよりよくする熱意に惹かれEYへ。今後のキャリアビジョン

── 現職を選んだ決め手について、もう少し詳しくお聞かせください。

募集要項に『Building a Better Working World』という理念が掲げられており、この理念に強く共感しました。また、面接の際には、ディレクターやシニアマネージャーの方々と直接話す機会があり、その広い視野でのディスカッションが非常に魅力的でした。彼らは私を試すというよりも、共に良いものを作り上げようという姿勢を感じ、それが大きな決め手となりました。

── 現在の業務内容について教えてください。

現在は、エネルギー系企業の新規ビジネス創造や、公共系案件の提案活動、またはエネルギー関連のシステム刷新プロジェクトに関わっています。プロジェクトによってはメインの担当を任されることもありますが、サポート役として関わることもあります。入社前に伺っていた業務内容と実際の内容が一致しており、非常に充実した日々を送っています。

── シニアコンサルタントとして入社されましたが、その役割についてどのように感じていますか。

シニアコンサルタントとしてまだ不十分だと感じることも多々ありますが、以前の研究職で培ったロジカルな思考や専門知識はコンサルティングの現場でも役立っていると感じています。研究職時代は、数式や理論を元にロジックを組み立てることがメインでしたが、コンサルティングではより実践的な事例を基に考えを組み立てる必要があり、これには新鮮さを感じます。ですが、論理的思考という点では共通点も多く、そこに強みを見出しています。また、研究で培った忍耐力や専門性を突き詰める姿勢は、コンサルタントとしての業務にも十分活かせていると感じています。

── プロジェクトに参加してみて、課題感ややりがいについてはいかがですか。

研究職時代とは異なり、大規模なプロジェクトに携わることが増え、PMOやPMPといった体系的な知識の習得が必要だと感じています。一方、やりがいとしては、プロジェクトのスケールが大きくなることで、金額や成果が目に見える形で実感できる点が非常に魅力的です。また、KPIに基づいて自分のパフォーマンスを評価できる点も新鮮で、大きなやりがいを感じています。

── 中長期的なキャリアプランについて、入社前と入社後で変化はありましたか。

入社前は、自分のこれまでのバックグラウンドを十分に活かせると考えていましたが、実際に入社してみると、まだまだ習得すべき知識や経験が多いことに気づかされました。中期的な目標としては、幅広い経験を積みながら、自身の価値を最大限に発揮できる人材となることを目指しています。当初の想定よりも、はるかに広範なスキルや知識が必要であると実感しており、それに伴い、より多角的に学び続けることが求められていると認識しています。

一方で、長期的なビジョンについては、入社前から大きな変化はありません。自分の能力を最大限に活かし、適切な場で貢献していくことを常に念頭に置いています。転職を経たことで、市場から求められる能力や、自分自身の強み・弱みがより明確に認識できるようになりました。即戦力として期待される一方で、自分に足りない部分を痛感する場面も少なくありません。これからも、自身のキャリアを意識的に考え、さらなる成長を続けていきたいと考えています。

── 角谷様、貴重なお話をありがとうございました。EYでの新たなキャリアを通じて、世界をよりよくするという熱意を持ち続け、さらなる成長を遂げられることを期待しています。今後のご活躍を心よりお祈りしております。

枝野 陽 | Noboru Edano

シニアエージェント

東京大学を卒業後、組織人事系コンサルティング企業に入社。
日系大手企業をクライアントとし、組織開発プロジェクトをリードした後、幹部候補者獲得に向けた戦略策定・実行支援に従事。
その後、『人の可能性を広げる支援がしたい』という思いから、株式会社アサインに参画。
大手事業会社やコンサルティングファーム出身者のキャリアアップに強みを持ち、20代-40代の転職支援を行っております。