Google、Apple、Facebook、Amazonを総称してGAFA(ガーファ)と呼ぶが、これら巨大企業の現CEOの経歴は意外と知られていない。今回はそれぞれの現CEOの経歴についてご紹介したい。(2020/10/12時点)

Google サンダー・ピチャイ インドが生んだ天才

GoogleのCEOはサンダー・ピチャイであり、2015年からGoogleのCEOを務めている。インド出身の天才である彼の経歴を詳しく見ていこう。

1972年にインドのチェンナイで生まれ、幼少期を過ごすが、暮らしは貧しく、最先端技術に幼少期から触れてきたという環境ではなかった。父親が電気エンジニアだったようだが、12歳になるまで家に電話もなかったようで、通信業界とはかけ離れた世界で育っている。

大学はインド工科大学カラグプル校に進学しており、インド工科大学はインドの国家的な重要性を有した研究機関と位置付けられているため、研究水準は国際的にも認められており、レベルの高い大学だ。

この大学を卒業している時点でかなり優秀な学生であるのだが、その後、アメリカに渡り、奨学金でスタンフォード大学へ進学。卒業後、シリコンバレー半導体メーカーApplied Materialsにエンジニアとして入社。

2002年にペンシルバニア大学ウォートンスクールでMBAを取得、コンサルティングファームのマッキンゼーを経て、2004年にGoogleへ入社している。大学以降の経歴については誰もが羨むようなエリート街道を歩んでいる。

Googleでのキャリアでは、現在のGoogleの中核サービスの開発に多く関与している。例えば、GoogleChrome、Gmail、GoogleMap、GoogleDriveなど、私たちが仕事でも私生活でも頻繁に使うサービスばかりだ。

彼の特徴は、ミーティング上で出た意見を抽象化し、全員が納得できるアイディアを提供できるところだ。言葉で言うのは簡単だが、強い共感力と物事の本質を突くことができなければ、実践することはできない。

プロダクトに関する深い理解力、様々なバックグラウンドが共存するGoogle社員への共感力、物事の本質を突く思考力、これらがズバ抜けているため、Google社員も彼がCEOであることに納得しており、2019年にはGoogle親会社にあたるAlphabetのCEOも兼務するようになった。

Apple ティム・クック ジョブズの後継者 

AppleのCEOはティム・クックだ。Appleの創設者スティーブ・ジョブズから正式に後継者として指名されている彼の経歴を見てみよう。

ティム・クックはアメリカのアラバマ州で生まれ育っている。父は造船所で働き、母はドラッグストアで働いていたため、サンダー・ピチャイと同じように家柄がものすごく良いというわけではない。

1982年にオーバーン大学で生産工学分野の理学士を取得後、1988年にデューク大学でMBAを取得している。

ビジネスのキャリアはIBMのPC事業から始まっており、北米部門のディレクターとして成果を出し、IBMには合計12年勤務した。その後、コンパックのバイスプレジデントを半年務めた後、1998年にAppleに参画することになる。Appleへの参画理由はジョブズから直接勧誘があったことが理由の1つと言われている。

その後、AppleのCOO(最高業務責任者)およびMacintosh部門の責任者に昇進していく。ティム・クックの大きな功績の1つとして、iPhone、iPadの部品を安定的に供給できるように世界規模のでサプライチェーン改革を行ったことだ。

そして、2011年にジョブズから正式に後継者として指名を受けて、CEOを就任する。同年ジョブズは病気のため亡くなってしまう。この当時のAppleは経営状態があまり良くなかったため、抜本的な経営陣の入れ替えを実行したのはティム・クックであり、その後の会社の大きな成長に大きく寄与している。

創設者ジョブズの意志を引き継ぎつつも、抜本的な社内改革を推し進められる実行力があるからこそ、Appleを建て直すことができ、就任以来約10年間もAppleのCEOとして活躍できている。

Facebook マーク・ザッカーバーグ 若き創設者

FacebookのCEOは創設者でもあるマーク・ザッカーバーグだ。他3人と比較するとまだ30代のため一番若い。彼の経歴を見てみよう。

アメリカのニューヨーク州で生まれ育ったマーク・ザッカーバーグ、父親は歯科医で母親は精神科医のため、比較的裕福な家庭で育ったと思われる。

中学生の頃にはコンピュータを使い始め、ソフトウェアの開発を始めていた。父親の歯医者を手伝うためにコミュニケーションツールを開発したり、友達と遊ぶためのコンピュータゲームを開発していたという話があるため、幼少期から既にプログラミングの天才であった。

大学はハーバード大学に進学し、ここで大きな転機を迎える。彼は「The Facebook」というソーシャルネットワーキングサービスの開発を進める。

これはもともとハーバード大学の先輩たちが彼の優れたプログラミング能力に目を付けて、ハーバードの学生と繋がりたい女性たちに向けたハーバード大学の学生専用コミュニケーションサイトの制作依頼がきっかけとなっている。

しかし、彼は先輩たちとの接触を避けてサイト制作を進め、開発完了までもっていった。これに対して、先輩たちはアイディアを盗まれたと裁判を起こし、最終的には株で和解したが、ザッカーバーグはプロジェクトを完了させるため2年生のときにはハーバード大学を退学した。

これがFacebookの始まりであり、その後大企業によるFacebookの買収案件などもあったが、彼は断っている。「世界をオープンにする」というミッションのもと、莫大な買収資金よりも大企業がソーシャルメディアを所有することに反対したようだ。

このようにハーバード大学の中で始まったFacebookだが、彼自身まだ30代であり、創設者かつ現CEOだ。経済紙「フォーブス」の「世界で最も若い10人の億万長者」に選ばれる人の資産家でもあるため、今後も新しいチャレンジが期待される。

Amazon ジェフ・ベゾス 始まりはオンライン書店

AmazonのCEOは創設者でもあるジェフ・ベゾスだ。創設者である点はマーク・ザッカーバーグと同じだが、ジェフ・ベゾスはAmazonの前に他の会社でのキャリアがある。彼について詳しく見ていこう。

ベゾスはアメリカのニューメキシコ州で生まれ育った。彼がまだ赤ちゃんの頃に両親が離婚しているため、母方に育てられている。母親の祖先はテキサス州の入植者であり、牧場を所有していたため、彼も幼少期は牧場で過ごしている。

フロリダ州の高校に入学し、成績は首席だったため、国家優秀奨学生となった。その後、プリンストン大学で電気工学とコンピュータサイエンスの学士号を取得する。大学時代の成績も非常に優秀だった。

1986年にプリンストン大学を卒業すると、大手企業から多くオファーを受けたが、ファーストキャリアとして選んだのは、最先端の金融決済サービスのスタートアップであったフィテールで働き、国際貿易のためのネットワーク構築の仕事を担当し、開発部門と顧客サービスの責任者に昇進した。

その後、大手金融サービス会社バンカーズ・トラストでプロダクトマネージャーとなり、ヘッジファンドのD.E.ショーに移り、シニア・バイス・プレジデントまで登りつめた。

1993年オンライン書店を始めることを決意し、ヘッジファンドD.E.ショーを退社。1994年に前身となる「Cadabra.com」を開業し、翌年に「Amazon.com」として正式にスタートする。当初は家のガレージに会社を作っていた。

その後、会社の財政危機なども乗り越え、本以外の商材についても、音楽やビデオをきっかけに拡大させていく。

彼の性格としては、非常に厳しい性格であり、仕事に対して一切の妥協を許さない。契約書やプレスリリースの細かいところまでも自分自身で確認していると言われており、部下に求めるクオリティも相当高い。

今回はGAFAの現CEO4人の経歴についてご紹介した。会社・プロダクトのことは知っていても、CEOのことはあまり知らない人もいたかもしれないので、これを機に深く調べてみることをおすすめする。