近年の不動産業界では、業界全体に新たな風を吹き込むような新事業に取り組むベンチャー企業が誕生している。今回は、特に注目したい不動産ベンチャー3社の事業内容、そして業界にどのような革新をもたらしているかに迫っていきたい。
リノべる株式会社
リノベる株式会社は、中古住宅のリノベーションサービス「リノベる。」を中心に、一棟リノベーションや店舗・オフィスデザイン、建築・不動産業界向けのITサービス開発など「住まい」に関わるサービスを展開している会社である。
中古住宅のワンストップリノベーションサービス「リノベる。」
中心的な事業である「リノベる。」は、中古マンションのワンストップリノベーションサービスだ。この事業の立ち上げの背景には、日本の空き家問題がある。現在日本は、人口減少や高齢化により空き家の数が増えており、今後も古いマンションの空き家はますます増加すると予測されている。
しかし、さまざまな原因で誕生してしまった空き家は、住まいとして使い物にならないような古い物件ではない。そこで、その使える空き家を有効に活用しようと考えたのが同社である。
「リノベる。」では、自分の好きなエリアの中古住宅を自分の好きな間取り・内装にできる点が特徴だ。自分のオリジナルの間取りにできるにもかかわらず、コストはかしこく抑えられる。
また、初めてのリノベーションであっても、物件探しからリノベーションのプランの検討、ローンや支払いまで、全て専任担当者が一緒に考えてくれるのも魅力である。
CREリノベーションプラットフォーム
個人向けサービスである「リノベる。」に加えて、法人向けに建物のバリュエーションから企画・プランニング、設計・施工、リーシング・販売まで幅広くサポートする事業も展開している。
ビルや集合住宅を中心とした既存ストックの利活用を目的としていて、商業施設・オフィス設計などを支援し、事業価値の最大化を支援している。
株式会社ビットキー
株式会社ビットキーは、テクノロジーの力であらゆるものを「安全で、便利で、気持ちよくつなげる」ことで、新しい価値を世の中に提供していくことをミッションとした会社である。同社では、以下の領域ごとにhubアプリケーションを提供している。
Home事業
Home事業では、マンションの入居者と管理者をつなげ、さらに便利になるアプリ・プラットフォーム「homehub」を提供している。日々の暮らしのなかにある以下のような項目をアプリ一つで完結できるのが魅力だ。
- 賃貸契約の管理
- 問い合わせ
- デリバリー
- 宅配
- マンション内の施設利用の決済
- 家事代行
最終的な着地点は、一つのマンション・建物内に限らずスマートシティのインフラとなるようなプラットフォームを目指すということだ。
Workspace事業
Workspace事業では、企業のオフィス空間など、さまざまな職場環境の利便性を向上させるオール・イン・ワンのプラットフォーム「workhub」を制作している。
近年は働き方の変化によって決まったオフィスで働く習慣は減少し、テレワークに求められるような空間の提供やサービスが増加している。これにあたって、今まで別々であった空間やファシリティ 、デジタルサービス・データをつなげるのが、workhubの目的である。
具体的には、コワーキングスペースや会議室の予約・決済、鍵のデジタル化などがworkhub一つで実現する。今は連携企業を増やし、今後事業をさらに拡大・有用性を発揮していく方針だそうだ。
株式会社アンドパッド
株式会社アンドパッドは、現場の効率化から経営改善まで一元で管理できるクラウド型の建築・建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を提供している。
管理アプリ・サービス「ANDPAD」の開発・販売・運営
「ANDPAD」は、新築・リフォーム・商業などの建設・建築現場で使えるシェアNo.1施工管理アプリである。アナログなやりとりが多かった建設・建築現場に革新を起こしたのが、本アプリであり、具体的には、以下のような業務がアプリ一つで可能になる。
- リアルタイムでのチャット
- 図面や工程表の作成
- 書類の一元管理
- 社内のタスク進捗管理
- 受発注業務の可視化
このように、現場でのペーパーレス化・業務効率の向上に大きく貢献しているアプリ「ANDPAD」は、現在利用者数33万人以上にのぼるそうだ。
今回は不動産業界に革新をもたらしている企業をご紹介した。伝統的な産業だとしても、新しい変革に挑戦できる企業はあるため、ぜひキャリアを考えるときの参考になれば幸いである。
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