今回は経理経験者や、財務経験者の方のご要望として多い経営企画へのキャリアチェンジについて解説していきたい。

キャリアチェンジは、具体的なキャリアプランをなりたい姿から逆算して設計していくことで実現されることが多く、今後のキャリア形成を考える上での参考としていただきたい。

経営企画の業務内容を理解する

まずは、経営企画の仕事が具体的にどのようなものか解説したい。大前提として理解していただきたいのは、重要な役割でありながらも経営の意思決定をするのはあくまで経営層であり、 経営企画のメンバーとしては、事業数値の取りまとめや改善策の洗い出しなど、経営層のサポートをする位置づけになることを理解する必要がある。

その上で、実際に事業・業務をを改善し、企業成長につなげるための策を考え、実行に移していく役割へと裁量が広がっていくことになる。

より具体的には、事業的なKPIを集計し、予実乖離を分析したり、BIツールによって経営層への報告資料を作成したり、上場企業の場合は社外向けにIR資料作成などが含まれる。

セールスフォースなどのCRMツールの導入や、営業組織の設計等より具体的な施策については、経営企画ではなく、営業企画や事業企画といったポジションで行われることが多い。

事務職からのキャリアチェンジ先としての経営企画は、企業全体の経営方針に携わる仕事をする役回りになることがほとんどである。

管理会計が入り口に

一定以上の規模の組織の場合、経営企画へのキャリアパスの鍵になるのは「管理会計」になる。

会計数値を意思決定のために管理するという、管理会計のスキルは先ほど記載した経営企画の仕事との親和性が高い。

そのため、製造業であれば原価計算など、サービス業であれば案件管理といった実際の事業実態と改善ポイントを捉える力をつけることで経営企画へのキャリアパスが開けてくる。

経営企画のポジションは決して数多くはないが、管理会計のスキルを持っている人であれば、上場企業や今後上場を目指す企業での経営企画ポジションに応募することが可能となる。

組織フェーズを考える

経営企画での経験が薄い場合には、 今後事業規模を拡大していく有望なスタートアップが最も良い候補になる。 組織的な柔軟性が高く、裁量を持てる業務に携わることができる上に、即戦力よりも企業を一緒に成長させていく方向性を重要視していることが多く、 初期段階での即戦力性を求められることが少ない。

一方で大手企業の経営企画ポジションは確立した経験が求められることもしばしばあり、ある程度仕組みが整備されている側面もあるので、新たに仕組みを整備していきたい人よりは、体系化された仕組みを学びたいであったり、規模の大きな事業を管理する経験を積みたい方におすすめする。

一口に経営企画といってもどのような仕事をしたいのかについては、その方によって大きく異なる。そのため、エージェントとの話し合いの中で自分のやりたい方向性や、それを叶えるキャリアプランを一緒に考えていただければ嬉しい限りだ。