2005年に設立された株式会社SHIFTは、2009年にソフトウェアテスト事業を立ち上げ、2014年にはマザーズへ上場、そして、2019年には東証一部に市場変更するなど今もっとも成長著しい企業である。

本記事では、株式会社SHIFTがここまで飛躍を続ける魅力とは何なのか。SHIFTが目指す事業戦略と合わせてご紹介したい。

企業情報

ここでは、まず株式会社SHIFTの企業情報をご紹介し、その魅力に迫りたい。

・会社名:株式会社SHIFT
・代表取締役社長:丹下 大
・設立:2005年9月
・資本金:5,800万円(2021年5月末時点)
・事業内容:ソフトウェアの品質保証、テスト事業
・取得特許:特許第5787404号 コンピュータプログラムのテスト仕様を生成するため
・装置およびプログラム 他6件(2021年6月末時点)

株式会社SHIFTが展開する事業の中心は、5.5兆円の国内ソフトウェアテスト市場である。これまでの常識では、開発者が一貫してソフトウェアのテストを進めるのが通例であったが、そこには以下のようなデメリットも存在した。

・開発者が品質テストまで実行するとモチベーションが下がる
・第三者が介入しないため仕様の漏れが発生しやすい
・開発者が品質テストを実行するとコストが高い
・開発者は品質のプロではないため不安が生じる

株式会社SHIFTは、このような開発者の潜在ニーズのみならず、国内ソフトウェア市場の品質テストにおいて、アウトソースはわずか1%しか普及していない現状に着目したのだ。

この領域でエンタープライズ向けにサービスを展開している事業者は、SHIFT以外にほとんど見当たらず、まさにブルーオーシャンだと断言できる。

システム開発工程の一部であったテストを、専門領域にする数少ない事業者だ。

急成長を遂げたSHIFTの魅力について

急成長するSHIFTの魅力と言えば、これまでソフトウェア開発の一部であったテスト工程をピックアップし、専門領域を確立した点にある。5.5兆円の市場には、アウトソーシングを専門とする競合他社が存在せず、まさに独走状態だ。

また、あらゆる業界の品質テストをターゲットにすることで、そこで得たナレッジやノウハウが蓄積される。つまり、下流工程であるテストや品質保証業務からヒントを得て、上流工程の改善策へと応用できるのだ。

このように、SHIFTは、ソフトウェアのテスト事業において注目を浴びているが、実際にはテスト専業ではなく上流工程であるコンサルティング、要件定義、設計フェーズから参画していることも魅力の1つだろう。

また、近年叫ばれているITエンジニアの人材不足や働き方改革に伴うシステムの複雑化など、システム開発におけるアウトソースの需要を追い風とし、事業を拡大し続けている。

売上高1,000億円を目指すSHIFTの戦略と取り組み

SHIFTは、2025年までに売上高1,000億円を目指す事業計画「SHIFT1000」を掲げている。その中で、以下4つのKPIを設けているが、2021年8月期第四半期においては目標値の前倒しもそう遠くはなさそうだ。

営業改革

「強い営業組織の確立」を戦略の柱に、2021年8月期第四半期においては、営業人数を昨年比39名から50名へと拡大。また、営業一人あたりの売上についても4.9億円から6.5億円へ上昇させている。新規開拓顧客数は、332社から365社へ拡大。

人事改革

「人材獲得手法のさらなる多様化」を戦略の柱に、2021年8月期第四半期においては、単体人事人数が125名へ増加。自社が提供するエンジニアプラットフォームの商流改善率も86.8%と好調である。

サービス/技術

「事業ポートフォリオの拡大」を軸に掲げ、2021年8月期第四半期においては、提供する技術サービスが116個に到達。掲げた事業戦略の通り、アジャイル・セキュリティ・コンサル・DAAEなど高単価サービスが拡大している。

M&A

「IT業界でM&Aブランドを確立」を戦略の軸として、2021年8月期第四半期においては、+8社のM&A会社の設立を達成。大型M&A案件のリーチ数も昨年比5件から11件に増加している。

SHIFTのクライアントは、業界のTOP10企業と呼ばれる優良企業ばかりであり、当然、業務においては高い質が求められる。しかし、だからこそ業務に必要な工数を十分確保し、プロフェッショナルな品質保証を提供できるのだ。

これまでどの企業も着目しなかった品質テストに目を向け、優良企業をクライアントに持つことで、堅実で加速度的な成長を続けている。

このように株式会社SHIFTは、堅実な事業戦略のもと売上高1,000億円に向けて成長しており、この目標値は株式市場の評価からも現実味を帯びてきている。成長企業で実力を発揮したい転職希望者には魅力的ではないだろうか。