営業体制や手法が多様化する中で、もはや営業の市場価値は単純に上位何%と言う実績で語れなくなっている。今回は営業の市場価値の考え方についてご紹介していきたい。

営業活動の4大要素とは

一般的なフレームワークではないが、セールス人材を支援するときによくお伝えするのが、
・取扱商材
・カウンターパート
・営業プロセス
・新規既存割合
の4つの観点である。

せっかくなのでそれぞれを簡単に説明していきたい。

取扱商材については、もちろん転職先と全く同じ物を取り扱っているのが高い評価を受けやすい。
ただ、この観点での重要なポイントは、提案営業の要素があるかどうかということである。

様々な会社の求人票の応募要件を見ていただくとわかりやすいが、無形商材または提案営業の経験は多くのポジションで必須要件となっている。

商材自体の質で勝負が決まるのではなく、顧客課題やニーズを正しく理解し、受注につながる提案をできるかという点が重視されている。

カウンターパートについては、業界や顧客の類似性とレベルの高さから評価がなされる。

製薬業界をお客さんにしていた人材は、商材が大きく変わったとしても同じ製薬業界をクライアントとする限りは、一定の評価がなされる。専門用語や商慣習等についての理解は、そのまま活かせる知見になるためだ。

一方で、レベルの高さと言うのは、経営者クラスに提案をしていたのか、担当者クラスに提案をしていたのかといったように、相手にする顧客のレベルによって評価がなされる。

営業プロセスについては、戦略立てからアポ取り、クロージングまでを一貫してやっていた人材なのか、商談のみをしていた人材なのかといったように自身の裁量で行っている業務の幅も1つの観点になる。

例えば、スタートアップなど転職先が主体的な営業活動を求める会社であれば、単に商談をしていた人より、営業プロセスを一貫して考えていた人材を求めたがる傾向にある。

最後の新規既存割合は文字通りで、成長を考えている採用企業は、新規営業の経験を応募要件にしている会社も多い。

このように、一口に営業といってもその中身を分解することによって自身がどういう領域であれば通用して、どのように評価されるのかということを理解することができる。

営業としてのキャリアプランとは?

まずは、どの市場での価値を高めていくのかを考える必要がある。

その上で、新規営業経験を重視するか、カウンターパートの類似性やレベルを重視するか、営業プロセスの幅を重視するかといったことを考えていくことができる。

もちろん現段階で、将来やりたい領域をピンポイントに絞る事は難しいと感じる方もいると思う。その場合には、大まかに捉えてアプローチショットを打つと言う感覚が大事になる。

また、セールスとしてのキャリアパスがマネージャーとスーパープレイヤーに分かれることを理解することも大切だ。

自身が事業をマネージャーとしてリードするのか、プレイヤーとしてリードするのかはその方の価値観によってやりたい方向が異なる。

このようになりたい未来から逆算して、とるべき経験やスキルを考えていくキャリアプラン作りが求められる。

一人ひとりに向き合ってくれるキャリアのパートナーを見つけた上で、自分のなりたい姿に着実に近づいていくキャリアプランを描いて欲しい。

営業経験を生かしたキャリアアップを考える方、将来へのキャリアプランを描きたい方は、ぜひ一度相談して頂けると嬉しい限りである。