この記事では、人材業界について語るとともに、主要なプレイヤー、業務内容、適性、そしてキャリアパスについて解説します。

【業界トレンド】

昨今の人材業界では、急速にAIの活用が進んでいます。人材業界での成功を語るうえでAI技術の活用は必要不可欠なものとなっています。

業界最大手リクルート社の「Indeed」買収が特徴的で、Indeedとは「人材版Google」とも呼ばれるプラットフォームであり、現在の利用者は3億人を超えています。そんなIndeedの買収によりリクルート社は膨大な求人情報データを活用し、リボン型ビジネスを加速させることに成功しています。AIによる自動マッチングを推進し、”1秒で転職” ”ボタン一つで仕事に就ける世界”を掲げています。

業界第2位のパーソルグループも、人材紹介ビジネスにおいての成功の肝として「キャリアアドバイザーが求職者に対応できる件数の増加」を目指し、その実現のために、人が介在する必要のない業務領域については積極的にAI化を進めています。

【主要プレイヤーと特徴】

【主な職種の業務内容】

営業

人材業界における営業職は大きく下記に二分されます。

・法人営業(リクルーティングアドバイザー)

法人顧客の採用課題に対して、人材の紹介や広告媒体の提案等を行います。単なる人材紹介としての役割に留まらず、法人の事業課題/組織課題の解決に携わることが可能です。

・個人営業(キャリアアドバイザー)

求職者に対するカウンセリングを行い、適切な企業をご紹介して転職サポートを行います。ただ求人を紹介するだけでなく、個人のキャリアと真正面から向き合い、支援をしていくことが求められる職業です。

事業開発・企画

人材事業、その他事業に関わる新サービス企画開発、ビジネス戦略策定を行います。直近の具体例をあげると、リクルート社のAlumy(カムバック採用代行サービス)や、パーソルキャリア社のSalaries(ジョブごとの報酬水準提供サービス)等があげられます。

人材会社の事業開発・企画職は、社内ベンチャー色の強い組織であることが多く、組織内では社内外で活躍してきたプロフェッショナルが多く在籍しているため、まずはそのような先輩社員に学びながら、徐々に事業モデルの検討や、プロジェクトの企画・推進を行ってきます。新卒での配属は少数である点は注意しましょう。

※直近では総合職採用と企画職採用で、明確に採用窓口を分けている企業も増えています。

エンジニア

最新テクノロジーを用いた既存事業のグロース・新規事業の創出に取り組み、人材領域のデータ活用やテクノロジー推進を担います。「働く」を技術やITの力で支え、加速させていく仕事です。

【職種別適性】

営業

・法人営業(リクルーティングアドバイザー)

企業や組織の課題をヒトの観点から解決したい人にはぴったりの仕事です。また、カウンターパートも中小企業であれば取締役や役員陣、大手企業でも人事責任者/現場マネージャー等との顧客折衝となるため、高いレベルでの法人営業経験を積んでいきたい人にとっては最適な環境といえるでしょう。

・個人営業(キャリアアドバイザー)

「介在価値の高い仕事に挑戦したい」「人の成長を後押しできる仕事に挑戦したい」等、個人に対して高い価値を発揮していきたい志向性の人が向いている職種です。また、若手のキャリア支援においては、特定の業界のみならず様々な業界、会社、職種、キャリアパスを理解する事で初めて高い価値を提供できるため、様々な業界の知見やビジネスモデルの理解を深める事が可能です。

事業開発・企画

サービス作りを通じて「日本の働く」に変化を起こしていきたい人にとっては最適な職業となります。社会的インパクトの大きい事業となるため、仕事のやりがいも大きいです。また、事業を推進するために欠かせない、人を巻き込むスキルや推進力、企画力は不可欠な要素となります。

エンジニア

新卒採用であれば、基本的にはプログラミング実務未経験からでも挑戦ができます。一方で他職種と比べて、より高い専門性が求められるため、物事を仕組みからより良く改善することに興味関心を持つ人、ITを通じて労働課題の解決をしていきたい人が向いている職種といえます。

【キャリアパス】

営業職かつ社内でのキャリアパスとしては、リクルーティングアドバイザー⇔キャリアアドバイザー間の異動が非常に多くなっております。

また、大手人材企業だと同じ職種でも顧客となる業界が様々であるため、同職種の中でカウンターパートとなる顧客の業界を変え専門性を磨いていくキャリアパスも存在します。

社外へのキャリアパスとしては、リクルーティングアドバイザーの場合は、その他法人営業や組織人事コンサルタントとしてキャリアチェンジを図る方も多いですが、最も多いキャリアとしては、事業会社人事への転職です。

キャリアアドバイザーの場合も、事業会社の人事職にキャリアチェンジする方も多いですが、より個人の人生に深く入り込みたいという理由で、コーチング事業等に挑戦するケースもあります。

事業開発・企画職やエンジニア職については、培った専門性を活かしながら社内でキャリアアップをしていくか、人材業界で培った経験を活かして、他業界の企画職やエンジニア職に転職される方が多いです。

以上が人材業界の概要とキャリアパスになります。業界の特性や自身のスキル、興味を考えながら、自分に最適なキャリアを模索してみてください。