右:長谷川様

左: 株式会社アサイン シニアエージェント   村尾 宥稀

中学生向けの教材営業を6年間経験された長谷川様。教育格差の問題意識から、子どもたちの人生に良い影響を与えたいと考え前職に入社されました。しかし、教材というアプローチだけでは子どもたちの成長を追うことができず、どこかもどかしさを感じていたそうです。

コロナを機に異動となり、販売職員として働くも自分の価値を感じられない状況に。そこで改めて自身のキャリアと向き合い、人の人生に深く関わる仕事がしたいと気づき、転職を決意しました。

担当エージェントの村尾が、前職での経験から現在に至るまでの経緯と、多様な価値観に触れながら業界に貢献したいという、長谷川様の今後の展望についてお話を伺いました。

「子どもの可能性を広げたい」教育現場で感じた“理想と現実

── 前職に就職を決めた背景について教えていただけますか。

前職に入社したのは、教育が人生を変える唯一の方法だと信じていたからです。特に、勉強が苦手な子たちを助けられるという理念に強く惹かれました。この考えは、自分自身の経験に基づいています。

大学進学時、家庭の事情で私立大学への進学が難しく、国立大学を目指すしかありませんでした。幸い、勉強が好きだったので目標を達成できましたが、周囲の友人や家族をみて皆がそうではないと感じていました。

高校や中学の段階で、勉強ができないために将来の選択肢が狭まってしまうのは非常にもったいないと感じた経験から、人の可能性を広げるために教育支援の仕事に就きたいと考えるようになりました。

── 教育業界の中でも、なぜ塾ではなく前職を選んだのでしょうか。

もちろん教育業界での選択肢として塾も考えていました。ただ一方で、塾に通うことが難しいような子どもたちに対しても、自力で勉強する力を身につけ、自分の道を切り開くサポートが行いたいと感じていました。

そんな中で、前職は経済的な理由で塾に通えない子どもや、勉強の必要性を十分に理解していない子どもなど、普通の塾では対応が難しい層にアプローチできる点に強く魅力を感じ入社を決めました。

── 前職での具体的な業務内容を教えていただけますか。

前職では、アトラクターとプランナーの両方の役割を経験しました。中学校を訪問して回り、教材の案内をする仕事です。プランナーとして地方に赴いた際には、同じ国内でも学習に対しての情報感度や意識に大きな違いがあることを思い知らされました。その経験を通して、高校進学の意義や新しい環境で学ぶことの大切さを広く伝えることの重要性を強く感じたことを覚えています。

──そうだったのですね。6年間続けられたモチベーションは何だったのでしょうか。

親や先生とは違う立場として、子どもの将来を考えてあげられる存在になれると思っていたことが大きなモチベーションでした。特にプランナーとして働いていた時は、そのような役割を果たせていると実感できたことが、6年間続けられた理由だと思います。何とか子どもの可能性を広げるきっかけを作りたいという気持ちはずっと持ち続けていましたね。

── なるほど。そのような中で転職を考えるようになった経緯を教えていただけますか。

より長い時間軸で人の人生に関わっていきたいと感じたからです。前職でもやりがいは強く持てていたものの、自分が携われるのが部分的である点にどこかもどかしさを感じていました。「教育」という観点から、その後の子どもの人生に大きな影響を与えられるのかどうかに疑問に抱くようになっていたことでが、転職を本格的に考え始めたきっかけだったと思います。

また最後の1年間については、新規事業への異動があり、それまでの経験とは全く異なる業務に従事することになりました。そこで、自分のキャリアの方向性について深く考えるきっかけとなり、新たな挑戦の必要性を感じるようになりました。

もっと誰かの人生に影響を与えるために。価値観に紐づくキャリアを指針に行った転職活動

── 転職活動についても伺えればと思います。始めた当初、どのような不安がありましたか。

最大の不安は、そもそも転職できるのかということでした。長年営業職をしてきましたが、このまま営業を続けていいのかという疑問もありました。また、27、28歳という年齢で業種を変えられるのか、不安でした。自信がないタイプなので、他の会社に行っても通用するのかも正直心配でした。

── 当初は複数エージェントを利用されていたかと思います。最終的になぜ私に任せていただけたのでしょうか。

私の話を親身に聞いていただいたのは勿論ですが、企業やキャリアへの深い知見から、的確で具体的なアドバイスを頂けたことが、活動をお任せしようと思った決め手です。自分のことを深く理解いただいたうえで、非常に納得感のある長期的なキャリアプランをご提示いただけたことも、とても助かりました。

── 有難うございます。転職活動を通じて、ご自身の価値観についてどのような気づきがありましたか。

自分は人の人生に関わる仕事がしたいのだと改めて気づきました。とはいえ、早い段階での介入では十分な影響を与えられないと感じたため、社会人になってからのフェーズで人材支援をする仕事の方が、自分の思いに近いのではないかと気づきました。より自分のやりたい形で、人の人生により大きな影響を与えられる可能性があると感じました。

── 転職活動の際、複数の企業から声がかかっていましたね。最終的に現職を選んだ理由を教えていただけますか。

はい、確かに複数の企業から声をかけていただきました。最後まで悩んでいましたが、前職の営業時代に感じていたモヤモヤ感から、もっと改革をしていきたい、時代の変化を見ていきたいという思いがありました。成長業界での人材紹介業であれば、そういった思いを実現できそうだと感じたのが大きな理由です。また最終的には、村尾さんより「どうせ同じ時間を過ごすなら、やりたいことをやったほうがいい」と言われたことも、決断の後押しになりました。

「企業側と働く人の両方を助けられる立場」で感じるやりがい。芽生えた新たな志

── 現職での具体的な業務内容について教えていただけますか。

現職では、主に求職者側の支援を行っています。時々、企業側の支援もありますが、私の担当は建設業界、特に電気工事関係に特化しています。完全に業界未経験の方で建築関係に興味がある人も来るので、土木や建築など幅広く対応することもありますね。

── 実際に働いてみて、どのような感想をお持ちですか。

忙しいですが、面談はとても面白いと感じています。ただ、まだ業界知識が浅いので、候補者の話を理解するのに苦労することもあります。

それでも、一人一人の転職理由や背景が異なり、それを聞くのは非常に興味深いです。20代から70代まで幅広い年齢層の方と接する機会があり、それぞれの人生観や価値観を知ることができるのは貴重な経験だと感じています。

── 今後、現職でどのようなことにチャレンジしていきたいですか。

29歳での転職だったので、最初からリーダーを目指したいと考えています。ライフイベントも考慮しつつ、会社での自分のポジションも意識しています。

まだ経験は浅いですが、今後はより多くの人々のキャリアに良い影響を与えられるようになりたいです。特に、厳しい環境で働いている人たちのキャリアを改善する手助けができればと思っています。

人材紹介の仕事を通じて、様々な人生や価値観に触れる機会があるのは非常に貴重だと感じています。この経験を活かしながら、自分自身のキャリアも成長させていきたいと考えています。

── 最後に、キャリアビジョンについて教えてください。

私の志は、一人一人が自らの個性を理解し、調和のとれた世界を作ることです。それを体現できる人になりたいと思っています。以前、教育分野にいた時は、子どもたちの人生を変えられることが志に近いものでした。現在は、建設業界という人手不足の分野で働いていますが、経験のある人材が求められています。自分の仕事が企業にとって大きな力になれると感じています。

また、企業が求める人材と、実際の人材のミスマッチがある中で、働く人々に対しても長期的な視点で資格取得などを通じて価値を上げていく支援ができると考えています。企業側と働く人の両方を助けられる立場にあると実感しています。

──業界の発展に貢献しながら、ご自身のキャリアも成長させていく姿勢に感銘を受けました。今後のさらなるご活躍を期待しています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

村尾 宥稀 | Yuki Murao

シニアエージェント

大学卒業後、大手教育系IT企業の人事戦略室よりキャリアをスタート。
リクルーターとして採用活動を推進した後、採用戦略の立案から実行まで一貫して経験し、KPI管理など採用業務全般のインハウス化を責任者としてリード。
より深く人と関わる働き方をしたいという想いから、株式会社アサインに転職を決意。
現在は若手ハイエンドに特化したキャリア支援を担う。