セールスの活動において、契約締結は基本的な活動である。一方で、契約締結の実務については営業事務などのサポートを受けていることも多く、契約の細かい内容については法務部で作成されている場合が多い。今回は営業として知っておくべき契約の基本についてご紹介したい。
契約はセールスの基本
組織の作り方によっては、セールスが契約を見ないというような業務プロセスになっている企業も一部存在するが、契約はその取引がどのようなルールでなされるのかを定義するものであり、セールスの活動の中の基本と言っても良い位置づけだと考えている。
そのため契約締結のプロセスはもちろんのこと、よく結ばれる契約の種類や条項についての理解を持っておく必要がある。
主要契約の理解
もちろん業態によって契約の内容は様々だが、今回は主要な契約についてご紹介したい。また、見積書や検収書、請求書といったものについてはなじみのある営業の方が多いと思うので、今回は省略したい。
秘密保持契約(NDA)
機密情報を守るために結ばれる契約であり、具体的な商談に入る前に結ぶことも少なくない。実務ではNDAと略称で呼ばれることの方が多い印象で、秘密保持契約にあたる内容が本契約の一部として盛り込まれている場合もある。
NDAと呼ぶ場合には、独立した1つの契約として先方と結ぶことを意味し、重要度の高い案件を行う上では基本的な契約の1つとして挙げられる。
基本契約
転職エージェントや経営コンサルタントなど1つの企業に何度も取引が発生する場合には、基本契約を結んだ上で個別案件を遂行することが多い。
各案件に共通する条項を盛り込むことになり、業務範囲や報酬形態、支払ターム、契約期間や契約終了の取り決め、反社条項などが含まれている。
こういった契約を見る際の基本にはなるが、違反した際にどのようなペナルティーがあるのかという点も見落としがないように確認をしたい。
覚書
基本契約の一部条件について変更する場合などは、元の契約を結び直さず覚書として結ぶ場合もある。この覚書は定義がややゆるく、簡易的な契約というような理解をしていただけると良い。既存の契約の条件を変更するだけでなく、大掛かりなプロジェクトの基本合意段階での契約として結ぶことも多い。この場合には、互いに前向きに進めていくといったレベルの緩さで結ぶこともある。
このように主要な契約についてはどのような位置づけで、現職での契約内容はどのようになっているのかという点については学習を進めたい。
オススメの学習方法
お勧めの学習方法としては契約名+雛形で検索をしていただくとフォーマットが出てくるので、共通する条項は一通り理解をしておくことと、実際に現場で使われている契約書をきっちりと確認することだ。これによって大まかな理解をすることができる。
特に新しいプロジェクト等の場合には、契約の細かい部分等も営業目線で詰めていく必要があるため、契約を読んだりする習慣は早めに身に付けておきたい。
今回は、セールスとして知っておくべき基本的な契約についてご紹介した。今後活躍の機会が広まるにつれて、企業同士の取り決めやルール等に携わることも増えていくので、その学習の第一歩としていただければ幸いである。
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