簿記などの資格取得には、一定の手間がかかるが、 転職市場においてその資格がどれほど評価につながるのかを知る機会が少ない。今回は資格の有効性や実務との関連性について説明したい。

転職活動における資格の有用性は

実際には、資格を持っていることによって内定が決まるということはないものの、取得している資格によっては、書類の通過率などが高まったりする場合は多い。

一定の応募総数を得ている企業では、応募要件に資格を明記している場合も多く、 興味のあるポジションの応募要件や歓迎要件をチェックすることをお勧めしたい。

時間とお金をかけることで、資格を取得することになるので、どの資格が有効なのかは事前に検討を行うべきである。

好印象な資格とは

全般的に言えるものとして、 以下の2つの評価パターンを知っておくとスムーズである。

1つ目は、先生業としての資格である。弁護士や医者がそうであるように、先生の要素がある仕事に関しては一定の形成が求められる。そのため、コンサルタントにとってのMBAなど、権威性を高められるような資格は先生業の場合には、評価されることが多い。

2つ目は、スキル要素の強い職種における資格である。 経理職など、明確な正解がある仕事の場合には、そのスキルの証明として資格が有効に働く。

一方で、営業職など 一概に何が成功かは判断できないような仕事に関しては資格の有効性は低くなりやすい。

事務系資格の場合にはこの2つ目が機能することが多く、 簿記などの資格が評価される傾向にある。

また、簿記の場合は三級では評価されず、 二級から明確に評価が高まる、 といった市場感も存在しており、自分の興味のある領域での有効資格について知見を持ったエージェントに質問することをお勧めしたい。

資格と実務は紐づける

また、資格取得の際に考えていただきたいのは、 資格は実務と紐付いて初めて効果を出すということである。

経理未経験の方が簿記を勉強しているので経理ポジションに転職できるのかということに関しては難しい場合が多い。

資格はあくまで自分の経験を裏付けてくれる位置づけとしてみなすのが良く、現職と関連性が薄い資格を取る事は評価につながりにくい。

また、あらゆる資格を履歴書に書き並べることは、 資格レベルが高ければ勤勉性のアピールにつながり、資格のレベルが全体的に低ければ自信がないと捉えられることにも注意が必要である。

今回は、資格の有効性について、大まかに説明した。転職活動の中心は、あくまでその方の魅力や経験になるが、キャリア形成の1つの引き出しとして資格に関する理解を深めていただければ嬉しい限りである。