この記事では、旅行業界について語るとともに、主要なプレイヤー、業務内容、適性、そしてキャリアパスについて解説します。

【主要プレイヤーと特徴】

【主な職種の業務内容】

営業

企業や学校、官公庁などへ営業を行い、団体案件(視察旅行、研修旅行、社員旅行、報奨旅行など)を受注します。

営業の仕事は、案件を受注してくるだけでなく、お客さまの要望をもとに「自ら旅行商品を作り上げていくこと」です。さらに、案件の受注~企画~提案~添乗まで一貫して従事することが可能です。

旅行業界における営業職はさらに下記に六分化されます。

・団体営業

企業に対して旅行商品の営業を行います。新規営業・既存営業ともに従事することが多く、大口の顧客であれば、競合で案件を獲得していくことになります。

・法人営業

企業や市区町村にむけ、社員旅行・視察旅行・研修旅行や国際会議等を受注するため、日々の営業活動を行います。

・学校営業

教育旅行と呼ばれ、修学旅行・大会遠征・研修旅行・留学等をメインに取り扱います。

・個人営業

いわゆる、カウンター営業とも言われ、店舗での旅行相談やパッケージツアー、航空券、宿泊券、切符などを販売する仕事です。インターネットで手軽に予約ができるような時代だからこそ、より高いレベルで旅行への知識やコミュニケーション力が求められます。

・店舗営業

来店いただいたお客様に対して、旅行商品の提案や発券を行います。

・コールセンター営業

対面ではなく、全国各地からの電話での旅行申し込みの対応を行います。

商品企画

商品企画の仕事内容は、市場の動向を調査・分析し、新商品の提案や、既存商品の改良を行うことです。顧客、市場、競合情報などあらゆるデータを集め、募集型企画旅行とも呼ばれる、パッケージツアーを作成します。

添乗員

旅程の管理をし、旅行者の安全を守る仕事です。ガイドとは異なり、チケットの現地発券やチェックイン対応、集合場所の案内などを行います。営業担当が行うこともあれば、派遣添乗員が同行する場合もあります。

ランドオペレーター

旅行会社から依頼を受け、交通や宿泊の手配や予約を行います。海外に支店や子会社を持つ大手旅行会社以外は、ランドオペレーターに手配・予約を委託。インバウンド旅行の際の手配を行っていることもあります。

【職種別適性】

営業

法人営業については顧客と深い関係性を構築でき、顧客の課題に対して複合的な提案を行いたい人には向いています。少ない要望をもとに、旅行行程を形にしていくことが重要となるため、いかに小さなニーズを拾えるかが鍵となります。また、ホテル、交通機関、観光地の担当者と対面比対面問わず密に連携を取らなければならず、高いレベルでのコミュニケーション力も求められます。

個人営業については老若男女問わずコミュニケーションを取ることが好きという方は向いています。また、ネット予約が盛んになった現代において、プランの提案だけではなく各地の情報を提供することも差別化の一つとなるため、旅行・観光地の知識を高いレベルでつけていけることが必要となります。

商品企画

魅力的かつ独自的なテーマを考えうる発想力はもちろん、その時々の市場を抑えるリサーチ力がある方は向いているといえます。社内の多くの部門と連携して進めることも多いため、組織内の調整に長けていることも重要です。

【キャリアパス】

新卒から営業に配属となった場合、主なキャリアパスが2つあります。1つ目は、営業で成果を出して、本社の各部署に行き、管理職になるというキャリアパスです。2つ目は、営業で成果を出して、各拠点の支店長になり、その後本社の役員になるというキャリアパスです。

一方、本社人事や企画、手配などの部署に配属されると、仕事の専門性が高いことから部署異動はせず、その部署で管理職まで上がっていくことが多いです。

しかし、営業スタイルや知識の面から、社外で通用するスキルが身につかないという懸念から20代半ば~後半のタイミングで人材業界やその他業界での営業や企画職へのキャリアチェンジを図る方が増えてきています。

以上が旅行業界の概要とキャリアパスになります。業界の特性や自身のスキル、興味を考えながら、自分に最適なキャリアを模索してみてください。