今回は、スタートアップが創業からIPOまでどのような過程をたどるのかということについて、ベンチャーキャピタルでの経験を踏まえて解説をしたい。
シリーズを軸に説明する記事は多く世に出ているので、本コラムではサービスの成長を軸に説明をしたいと思う。

MVPによる検証

リーンスタートアップで提唱される、実用最小限(MVP)のサービスニーズの検証からスタートアップの第一歩が始まる。

このMVPには、実際に簡単なサービスを作る場合もあれば、本来技術でやるものを人だけでやることにより最低限の検証だけを目的にするなど、企業によって一形は様々である。

一般的にはこのタイミングがシード期となることが多く、いまや上場している有名ベンチャーでも、この時期には実態が会社未満になっている場合も多い。

このタイミングでピボット(事業内容を大きく変更すること)を行う場合も多く、スタートアップとして最初の試行錯誤の時期となる。

PMF(プロダクトマーケットフィット)

正式版のサービスローンチに到達した後には、PMFを目指すことになる。

ローンチ直後の場合には、トラクションと呼ばれるマーケットから求められていることを示すKPIを見せることにより調達を行う場合が多い。

実際のサービスが市場に受け入れられ始めた後には、ユーザの獲得とサービス品質の向上に向けて人員の増強やマーケ予算の強化等に取り組む企業が多い。

この時期から、スタートアップ界隈では有名企業として捉えられ始めることが多く、一般的なブランド力も少しずつつけ始めるタイミングである。

マネタイズへの挑戦
多くのスタートアップが苦戦するのがマネタイズである。
投資先行型の授業を作る企業が多い中で、実際に収益を作る能力が欠けている事業も散見される。

マイルストーン投資と呼ばれる、特定時期までにこの状態を目指しましょうと言う約束の下投資をされることが多く、1番の未達成となるタイミングはKPIが売上によって置かれた時である。

ここで売り上げ構築に成功し、将来的な利益獲得が見え始めると、IPOと言う選択肢が見えてくる。

IPO準備

意外と知られていないのが、IPOには準備期間が3年程度存在すると言うことだ。

事業計画通りに成長させられるかと言うのはもちろんのこと、社内規定や監査役等、上場するにあたっての様々な準備に取り組むこととなる。

長い間準備をしたにもかかわらず、今回のコロナの影響により上場を取り下げざるを得なかった企業など、準備が長い分上上できたときの達成感は大きなものになる。

上場ゴールではなく継続的な事業成長のための上上を行うのであれば、IPO時の資金を何に使うのかという問いに答えるために、新規事業に取り組んだりする企業も多く存在する。

今回は、簡単ではあるが、創業からIPOまでの道のりをご紹介した。

スタートアップへの転職に興味がある方は、企業のフェーズによって、与えられる役割や、上場まで至る確率、求められるスキルなど様々なものが異なってくる。

スタートアップへの転職人気が高まる中で、なかなかイメージが湧きづらい、企業成長のストーリーを理解する第一歩としていただきたい。