不動産企業の優位性を考える上でキーポイントになるのが反響数である。

今回は不動産業界で市場価値を高めていく観点で、反響数と創出価値の関係について考えていきたいと思う。

反響数は不動産事業の中核KPI

マーケティングにおけるリード数に当たる反響は、その企業の集客力を定義するものであり、取り扱う不動産に差別化がない場合には、どれだけ多くのお客さんと商談を設けられるのかというのは非常に重要である。

実際企業によって反響数は大きく異なっており、古くからの財閥系不動産企業では、かなり多くの反響を得られる事はもちろんのこと、GAテクノロジーズ社など技術やマーケティングノウハウによって反響数を伸ばし事業成長を実現している企業も存在する。

一方で、不動産業界の高年収プレイヤーは、歩合制の強い小規模企業に属していることも多く、単に反響数が多い企業に属すことで、年収にそのまま直結するというわけではない。

年収の算出式を正しく理解する

年収の概念は評価によって決まるという捉え方をしがちではあるが、実際には本人が生み出した価値をもとに計算することができる。

売上−人件費以外の費用を便宜上「粗利」と考えたときに、その粗利に対して個人の貢献度合いを半分とするのであれば、粗利の半分をインセンティブとして渡すべきである。

そのため、企業ブランドもあり反響数も多い企業では、個人の貢献度合いが高いとは言えず、また同じ仕事をできる人材も数多くいるため、インセンティブの割合としては伸びにくい。

一方で、自分で顧客を開拓する力があり仕組みがない中で売上を作ってくれる人材は、その分粗利に対する創出価値も大きく、 インセンティブ割合も高い傾向にある。

もちろん、企業の状況や全体としての年収テーブル等によって給与が決定されていくことにはなるが、自分の作った価値が最大となるようなポジションに身をおくことで、年収や市場価値を高めることができる。

反響がない中で結果を出していく力が高い人材なのか、商談に強く、反響があれば人よりも優れた結果を残せる適性があるのかを見極めた上で、自身の活躍の場を考える必要がある。

そういった部分は、好きこそ物の上手なれという要素も大きく、やりがいであったり、楽しさを感じられるのかという観点も参考になる。

強みを正しく発揮する

どの方向に強みを持っているのかというのは人によって様々だが、優れた結果や価値を生み出すためには、その方の個性や可能性を活かしていく必要がある。

特に若手のうちは自分の価値観を中心に強みを見定めることをオススメしたい。

人と話すことが好きな人であれば、コミュニケーション能力は強い傾向にあり、人が喜んでいる姿を見るのが好きな人であれば、寄り添い方の営業スタイルが得意である。

他の人が抵抗感なくやっているが自分は強く抵抗を覚えること等を無理に弱点と見做しすぎず、むしろ人よりもやりたいと思えることを中心にキャリアを組み立てることができれば、より活躍する可能性が高まっていく。

今回は不動産業界特有の概念である反響をテーマに個人の創出価値や強みを発揮する重要性についてご紹介した。今後のキャリアを考える上での参考としていただきたい。