右:加藤木様
左:株式会社アサインシニアエージェント 酒井 初
大学を卒業後、日本のものづくりのすばらしさや海外留学の経験から日本のメーカーに就職したいと考え、新卒で大手グローバル空調メーカーに入社した加藤木様。家庭用エアコンを生産している部署の設計開発の部門に配属され、技術系の新入社員や若手の社員に向けて、技術的な知識習得を目的とした研修の企画・運営を担当していました。
しかし、社内でキャリアアップをしていくビジョンが見えなかったことと、会社の事業に対して直接貢献できるような仕事をしたいという想いから転職活動をスタートさせました。
日本のものづくり技術への想いから大手空調メーカーに入社
── まずは、前職でのお仕事についてお伺いいたします。新卒で大手グローバル空調メーカーを選ばれた背景や当時の軸についてお話しいただけますか。
新卒の就職活動では、日本のメーカーに入社したいというのが主軸でした。日本のものづくりは世界的に見ても優れている領域であるものの、世界に出ていないということを、留学経験を通じて実感しました。他にも世界に出ていないような日本の良いものは多くあるのではないかと感じ、日本の技術力やものを広める仕事がしたいという想いからメーカーを志望しました。
そしてグローバルに展開している日本のメーカー、そして生活に不可欠なものという観点でエアコンに力を入れている大手空調メーカーに入社しました。
── 入社後の業務内容やミッションについてもお話しいただけますか。
配属先は、空調生産本部の商品開発グループでした。主に家庭用エアコンを生産している部署の設計開発の部門に配属になりました。事務系として採用されていたので、管理部門に配属になりました。そこでの私のミッションは、入社してくる技術系の新入社員や若手の社員に向けて、技術的な知識を得てもらうような研修を企画したり、運営したりということを主にしていました。
── 理系知識を身につけなくてはいけなかったかなと思いますが、そのあたりの業務に対してどのような想いで取り組んでいらっしゃったのでしょうか。
入社当初は、いきなり物理の話が出てきました。物理などの知識がある前提で話が進むので、「潜熱とは何?」というところから始まりました。私ももちろん、研修を企画しているとは言え、その内容を自分も勉強する姿勢で取り組みました。資料を読んで、講師を務めていた方に「今日の内容は何が肝ですか?どういうことですか?」と私自身も受け手として研修で勉強しつつ、運営もするという形でキャッチアップをしていました。
せっかく新しいことをするのであれば、何か1つでも自分の糧にしたいという思いで、業務に取り組んでおりました。
── いいですね。そんな前向きな思いでいろいろ頑張っていらっしゃったと思うのですが、前職ではなぜ転職しようと考えられたのですか。
一番の課題感は、社内でのキャリアのルートが見えているという点です。一度、研修や管理の部門に入ってしまったら、そこで何十年も勤め上げるのが社内の一般的なルートでした。そのため、自分がその中でキャリアアップをしていくビジョンが見えなかったという点が大きかったです。
また、管理などのバックオフィスやスタッフの仕事も嫌ではなかったものの、2年目あたりから自分の能力やスキルを使って会社の事業にちゃんと貢献できるような仕事をやりたいと思うようになりました。そこから自然と転職活動を考え始めました。
── 就活当時はバックオフィス系の職種ではなく、営業などを志望していましたか。
営業職ではなく企画職志望でした。同じグループでも商品企画をやっている方々がいるところだったので、1年目の辺りから「もし、チャンスがあるなら今後は商品企画や開発に携われるようなキャリアも考えています。」ということは常日頃から上司には相談していました。しかし、実現は難しいだろうと感じました。
自分を見つめ直した先に気づいた自身の価値観とは
── ここからは、転職活動についてお話を聞いていけたらと思います。転職活動を始めるに当たって、不安に感じられていた点はどういったものがありましたか。
やはり、転職活動の進め方が一番気になっていました。ネットを見ると3カ月という期間やセオリーはいろいろ書いてあるのですけれども、一人で仕事と並行して進めることに不安を感じていました。
そこで、大手エージェントにとりあえず申し込み、話を聞くことにしました。他に、エージェントではないですが、キャリアカウンセリングにも申し込みました。
── 大手のエージェントとの面談やキャリアカウンセリングをした上で、そのまま転職活動を進められなかったのは、どういう理由からですか。
大手のエージェントさんとお話しさせていただいたときは、一度面談をした後はどんどん案件を紹介されました。
「とりあえず10社応募してください」という形で、とりあえず履歴書の添削のみをしてもらい、ただひたすら機械的に来る求人に応募をしていくというスタイルでした。そのスタイルに対して、「本当に自分の転職活動はこれでいいのか」と疑問を抱きました。「人から与えられた求人に機械的に応募していくだけで後悔しないか」「自分のための転職活動になるのか」という不安を感じて、一旦ストップしました。
その後、キャリアカウンセリングに行きましたが、キャリアカウンセリングのサービスは転職活動というよりかは、自分の人となりなどを壁打ちするというサービスだったので、そこで一旦そこで終わりという形にしました。
そして、ひと段落し、再スタートというタイミングでアサインさんにお声がけさせていただいたという経緯です。
── なるほど。再スタートのタイミングでは複数のエージェントを利用されていたのでしょうか。
一応、再スタートのタイミングでは複数エージェントで並行して面談などをさせていただいていました。
酒井さんとの転職活動の進め方は、私の人となりを深掘りしていきましょうという感じでパーソナルな性格やどういうキャリアを歩んでいきたいというところをじっくりとお話できました。きちんと私のことを理解した上で、どういうものが向いているのかということを見定めてくれているというところに安心感がありました。じっくりと私と向き合ってくれる姿勢を見て、酒井さんと一緒に転職活動を進めたいと思いました。
── 初回面談では私と過去の深掘りや棚卸をしましたが、その時にご自身で自己分析していたことがさらに明確になったのでしょうか。それとも別の何かが見つかったというイメージなのでしょうか。
もともとあったものをぶつけて、やはりそうなのかというものもありましたし、話していく中でこういう観点もあるのかという気づきもありました。
少しネガティブな話ですが、前職の仕事の内容で得た知識などは他社ではあまり生かせないと思っていました。しかし、面談などを通して、日常的にやっていたエンジニアとのやり取りも大きな強みになるという発見がありました。その時に、考え方次第で強みにもなると実感しました。自分では全く目を向けていなかった部分に着目してもらえる機会は、酒井さんとの面談のやり取りを通じてありました。
── 不安の中で転職活動を進めていたかと思いますが、エージェントに対して期待していたことはありましたか。
私がエージェントに求めていたものとしては、対話を通じた自分はどういう人なのかという言語化でした。また、書類や面接に対するフィードバックもエージェントに求めている点でした。
―― その中で転職活動で得た気づきや学びはありましたか。
気づきや学びはいろいろありました。転職活動を進める中で、面接の質問に答えられるように小手先でやるのではなく、「結局自分はどのような人間で、その中でどういうことをしたいのか」と自分を知ることがすごく大事なのだという気づきが大きかったですね。
―― 転職活動を一緒に進めさせていただいて、とても自分に向き合う力が強い方だなと思いました。すごく印象深いのですが、自分でたくさんメモ帳に書いていましたよね。
新卒の時からですが、結局面接でいざ質問をされたときに上面の答えだと相手に刺さらないと思います。また、自分も自分のことを話しているような感覚にならないので、自分のことが理解できて、喋れた時の方が面接はうまくいくなということが実体験としてありました。そこで、自分自身の深掘りをやった方が結果としてはうまくいくのではないかなと思い、そちらを重視してやっていました。
―― それはおっしゃる通りだと思います。選考結果もありますが、転職の最後の意思決定となったときの納得感が全く違うと思います。それだけ自分に向き合われた加藤木さんが気づいたご自身の価値観などはありますか。
大きな気づきとしては、自己分析をやっていく中で新卒当時から自分の軸はあまり変わっていなかったということです。私が大事にしている軸は、自分のスキルや知識を生かして他者に貢献ができるようなサービスないしはプロダクトを提供していきたいということが1つ目。2つ目が、変化を楽しめる社風があるかです。過去の自分の経験から、変化を楽しめる社風か否かでその会社が自分に合うか合わないかが変わってくると振り返って思いました。
学生時代からの軸が今も変わらないと再認識できたからこそ、転職活動も自分の意思で進められているという感覚をすごく得られました。
ビザスク社入社に至った意思決定とは
── 最終的にビザスク社への入社を決めた要因は何かありましたか。
ビザスクと面談をしていく中で、自分の持っている価値観に対して、いいねと肯定してくれた印象で、社内にも同様のカルチャーがあることを感じました。選考が進む中で、面接官の方の自社サービスやプロダクトに対する愛に近いような熱意を感じ、熱く語っていただいたこともあり、カルチャーが合っていると思いました。
事業としても人としても「すごく熱い」というところに惹かれて、最終的に入社を決めました。
── 現職の事業内容は加藤木さんにどのように映っていましたか。
珍しいと思いました。最初はこのような仕事があるのかという印象すらありました。サービス内容をみて、「たしかにこういうサービスは絶対にあったらいいな」と、すごくポジティブに捉えていました。
また、自分がその仕事に従事することを考えた時に、様々な知識を身に付けることが好きな気持ちが根底としてあります。いろいろな業界に触れられて、大きな会社の中でいろいろなバックグラウンドを持った方々と仕事ができるということは、すごく自分にはプラスになるのかなと思い、最初から惹かれました。
頑張りが数字につながり、仕事の楽しさを実感
── 転職後の今のお話も聞けたらと思います。現在の業務内容についてお話しいただけますか。
現在はリサーチ業務をしています。具体的には、顧客から「半導体の仕様について詳しい方をマッチングで教えてください」という依頼が来たら、そのニーズにマッチする適切な方を私たちが持っているデータベースの中から探し出して、リストを作り上げるという業務内容です。
── かなりスピード感がありますよね。加藤木さんは頑張りすぎてしまう方だと思うので、適度に肩の力を抜きながらやっていただけたらと思います。今後の展望や現職で描いている道みたいなものはありますか。
現在は、業務は一通りこなせるようになってきました。しかし、お客様とのやり取りはまだ自分ではできていません。今仕事をしている中でも、この依頼はどういう背景で依頼をしてきているのか、どういうプロジェクトなのかという相手のニーズを汲み取りたいと思うシーンが多々あります。
自分自身でクライアントとやり取りをして提案できるようになりたいです。まずは、提案能力をもっとブラッシュアップして、お客様とのやり取りも自分でできるように一人前になりたいと思っています。
通常業務に加えて、ビザスクエアという広報のページの編集にもチャレンジするため、今は応募している最中です。
── ぜひ頑張ってほしいです。ビザスクエアは転職活動をしていた時にすごく読み込まれていましたよね。
そうですね。気づいたら全部読んでいました。「全部読みました」とアピールしていました。
── 実際に入社してみて、加藤木さんが転職活動を通して気づかれた価値観とフィットしているなと実感する瞬間はありますか。
すごくあります。まず、知的好奇心というか、様々なことを学び、吸収することが好きという点です。本当に周りの人も知的好奇心がある社員が多く、私の知らないことを知っている人ばかりです。「これはどうだろう」と1聞いたら100で返ってくるような感じで、当たり前のように知識の共有を熱心におこなっています。自分のためだけではなくて、得た知識を他のメンバーにも還元しようという想いが強い方が多く、すごく素敵だなと思います。
私も知識を吸収するだけではなくて共有するという部分を今後はもっとやっていきたいと日々刺激を受けています。
知識を得るという観点では、友達や他社の友人と話す時、今はどのような仕事をしているのかなど、他の人のキャリアや仕事について興味を持つようになりました。
もともと持っていた知的好奇心がより強化されていくみたいな感じかもしれません。
── 先ほどのお話と重複する部分もあると思いますが、現在のお仕事はどういうモチベーションで取り組まれていますか。
今のモチベーションとしては、お客様に良い人を紹介したいというのがモチベーションとしてあります。もちろん、当初の依頼として入ったニーズに加えて、「こういうニーズがあるならきっとこういう人も刺さるのではないか」というプラス1の提案ができるようにしていきたいと考えています。プラス1の提案をした時に「こういう観点もあったのですね」というフィードバックをいただけることに喜びや充実感があります。
── いいですね。すでにそういうフィードバックなどをもらう瞬間があるのですか。
現在はリサーチを担当しているため、直接お客様からフィードバックをもらうことはありません。しかし、お客様とやり取りをしている担当の方から「今、こういうフィードバックをもらいましたよ」、「ナイス!」というやり取りを共有してくれます。また、メールなどのやりとりは私も見られます。
お客様のメールなどを読んでいる中で「こういう観点もあったのですね」、「もう少しこういう方を紹介してください」という形でプラスにつながっていく時は、やってよかったなと思います。
── 前職と比べたときにここが一番違うなと思うところはありますか。大きな変化があったと思うので、だからこそよりいい意味で感じている変化みたいという部分があればぜひおしえてください。
自分が紹介してそれでマッチにつながったのが売り上げや数字につながるところが前職と大きく違うところです。紹介したら紹介した分だけ売り上げとしても見えてくるので、それでプレッシャーはありつつも、やった分だけちゃんと数字として表れるので、そこはすごくは大きな変化だと思います。
頑張りが数字に現れるので、新卒当時から誰かのためにという想いがより見えやすくなったという部分もありますね。
── 楽しんで働かれているご様子をお伺いできて、とてもうれしいです。今後のさらなるご活躍を楽しみにしております。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
酒井 初|Hajime Sakai
シニアエージェント
慶應義塾大学在籍時、HRTechのスタートアップ企業に参画。
コンテンツライターとしてオウンドメディアの記事制作に従事しながら、ビジネスの仕組化やシステム化を経験。大学卒業後はNTTドコモよりキャリアをスタートさせ、ビジネス戦略部にてCRMの構築から高度化までをリード。
その後、株式会社アサインにヘッドハントされ参画を決意。
現在はハイクラスの営業経験者に特化したキャリア支援を行いながら、ライターとしてメディア戦略の立案・実行を担う。
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