現在、多くのビジネスマンが会議の多さに悩んでいる。
Acall社が実施したインターネット調査によれば、会議の約40%は無駄だと感じられているという。これほど多くの時間が無駄に費やされる現状を改善することは、生産性向上に直結する課題だ。
本コラムでは会議の生産性を上げる方法について掘り下げていく。
働き方・仕事の進め方に関する実態調査
今回、Acall社が20歳から60歳までの会社員600人を対象に実施した「働き方・仕事の進め方」に関する実態調査を参照した。
「1日あたりの会議・会議調整の件数と時間」に関する調査結果では、1日あたりの会議件数は平均2.0件、会議時間は平均1.9時間という結果が出ている。
また、1日あたりの会議調整件数は平均1.8件、会議調整時間は平均26.5分という結果となっている。
同社によれば、オンライン会議の浸透に伴って会議に関する時間の割合が増加しており、1日の働く時間のうち1/4を会議に費やしているという。
同社は、「本当に必要だと感じる・もっと効率化ができると感じる会議の割合」についても調査を行っている。
結果は、「本当に必要だと感じる会議の割合」は平均39.1%と4割に満たない実態となっており、会議の質についての課題感が明確になった。
これらの結果を拡大推計すると、1,000人規模の会社の場合、無駄な会議の時間は年間で9万6千時間となる。
これは約50人分の年間労働時間に該当する。
会議はビジネスマンにつきものであるが、無駄な会議に多くの時間を費やし、他の業務が滞ってしまえば本末転倒だ。
無駄な会議を減らすにはどうすればよいか、次項で触れていく。
無駄な会議の特徴
まず、無駄な会議の特徴について考えてみる。
無駄な会議には大きく分けて二つの傾向がある。一つは「決めようとしていない会議」、もう一つは「可視化していない会議」である。
決めようとしていない会議では、主催者が意見や意志を持っておらず、何を議論するのか、会議のゴールが明確でないことが多い。
また、議論に必要なメンバーが揃っていない場合も多く、ただ人数が多いだけの会議が無駄に時間を費やす原因となっている。
会議は主催者の意志が品質を決めると言っても過言ではない。
主催者がただ無作為に、「様々な視点から意見を聞きたい」といった無責任なやり方をしていると、何も決まらず品質の低い無駄な会議になってしまう事が多い。
可視化していない会議では、議論の内容や結論が参加者全員に共有されず、後で混乱や誤解が生じることがある。
このような会議では、議論が深まらず、結論に達することが難しい。
したがって、議論の内容をリアルタイムで可視化し、全員が理解できる形で進行することが重要だ。
”決められる”会議にする方法
では、どのようにして”決められる”会議にすることができるのか?
まずは前項で述べたように、会議の主催者は明確な意志や意見を持つことが求められる。
会議の目的やゴールを明確に設定し、議論すべきポイントを具体的に示すことが重要だ。また、議論に必要なメンバーを厳選し、無駄な人員を排除することも必要である。
こうすることで、意志決定をする立場の人が主体となって会議を進行し、議題に対して意見をもち、覚悟感のあるメンバーだけが参加するという構図ができる。
まずはこれを徹底し、その上で進め方を改善していくべきである。
会議の進行においては、会議のアジェンダを事前に配布し、各参加者が議論の準備をする時間を確保することが重要である。
また、会議中にリアルタイムで議論の要点をまとめ、全員が確認できるようにすることで、議論の透明性と効率が向上する。
これにより、参加者全員が議論の進行に責任を持ち、積極的に参加することが促進される。
さらに、会議の時間を厳守し、議論が逸れないように進行役がしっかりとコントロールすることも重要である。
時間が限られている中で、効率的に議論を進めるためには、進行役のスキルも求められる。
例えば、議論が長引く場合は、適切なタイミングで議論をまとめ、次のアジェンダに進むことが求められる。
無駄な会議を減らし、生産性を向上させるためには、「決められる会議」を実践することが必要だ。
会議の主催者は明確な意志を持ち、議論をリアルタイムで可視化することで、効率的な意思決定が可能となる。
こうした取り組みを続けることで、組織全体の生産性が向上し、ビジネスマン一人ひとりがより充実した働き方を実現することができるだろう。
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